パンフに写る風景。

これこそ、俺の理想の地。

俺は期待に胸を膨らませながらチケットを握りしめた。








《夏休みにはこの青葉大学院の医学生として恥ずべき行動はよしましょう》

暑い体育館に入れられ大学の終業式を迎える。

校長の長い話が永遠に続きそうな勢いだった。

俺はいつちょー田舎に出発しようか予定を立てていた。

大学の終業式が終わって単位もらった後すぐ行くか?

帰る宛てもないし。

でもちょー田舎にも泊まる宛てなんかない。

俺は一人悩んだ。

「荘司?何頭抱えてんの?」

クラスメイトの沖永(オキナ)に聞かれる。

あ、沖永は一応俺の親友。

「俺…親に捨てられたからさ〜クラスメイトからもらった旅行券で田舎に行こうとしたけど泊まる宛てなくて悩んでんの!」

俺が言うと沖永が顔をしかめた。

「…親に捨てられた??」

「…あぁ。」

沖永は表情を曇らせた。

同情何か嫌いだ。

本当に悲しみがわからない奴に心配されたくない。

それが俺だった。

「…俺、同情するきはないからな。」