それから俺はすぐ眠りについた。
先生が来る前に保健室から出ないと、
そう思い俺は荷物を持って医学の授業を受ける教室まで急いだ。
ガラッ…
教室を開けると中には人が二人いた。
二人は女子だった。
何かパンフを見ながらしゃべっている。
俺は興味本位で近づいた。
「…何やってんの?」
俺が聞くと女子二人は俺を見た。
「…あ!高野荘司くん!」
女子が俺のフルネームを言った。
俺は“タカノソウシ”と言う名前だった。
「何か旅行券当たったからパンフ見たらここちょー田舎なわけ!!!!」
そう叫んでいた。
ちょー田舎…
俺はいいことを考えついた。
「…その旅行券、俺にくれない?」
俺はダメもとで聞いた。
「いいよ!こんなんいらないし!!明日から夏休みだし行っておいでよ!!」
そう言うと女子は俺にパンフと旅行券を渡した。
俺は適当に席に着き、パンフを眺めた。
絶対ここで俺の居場所を見つける。
そう心に誓いながら。