「あの女最悪だったよなぁ」
沖永が言う。
俺は黙って頷いた。
「…麻里先輩は今隆司と婚約したらしい…。」
俺はそう言った。
自分で言ったことに涙が出そうになった。
完璧麻里先輩を好きじゃないっていったら嘘になる。
でも大好きって言っても嘘になる。
まだ少し未練があって…
まだ隆司を恨んでて…
言葉にすることの出来ない感情が
俺の心の中で麻里先輩を思っている。
「…ちょー田舎に行って生きる希望…探してくる…」
俺は沖永の方を向いて真剣な眼差しで言った。
「…バカヤロー!!!帰って来んのずっと待ってるんだからなぁ!!!」
そう言い沖永はコーヒーを一気飲みした。
俺は沖永と夜中まで飲み明かし、朝には空港に行き
沖永に見送られちょー田舎に出発した。
沖永は泣いていた。
俺ももらい泣きをし、沖永に抱き着いた。
飛行機に乗ると楽しそうな家族がいた。
俺はうらやましく思った。
毎日が辛いなんて脱出してやる。
そう言い機内で俺は眠りについた。