「…沖永…俺帰る宛てねぇわ。駅にでも泊まろっかなぁ〜」

俺がそう言い頭を抱えると沖永は俺に手を差し延べた。

「今日泊まってけ。俺んちで最高の思い出作って俺を忘れないようにしろ。それでちょー田舎行け…」

そう言った沖永は涙目だった。

「沖永が先に泣いてんじゃねーか…」

俺は沖永にハンカチを渡した。

「泣いてねぇしっ!!?勘違いすんな!!」

「沖永…いい加減認めろ。明らかに鼻声だ。笑」

俺はぷぷっと笑った。

沖永は俺からハンカチを取った。

「…こんなハンカチ俺の鼻水まるけにして取れない様にしてやるっ!!!」

そう言い沖永は鼻をかみはじめた。

「鼻水でも何でも気が済むまでねたくれ。俺は沖永を絶対忘れねぇよ。」

俺はそう言い沖永と肩を組みながら沖永の家まで歩いた。

沖永はずっと泣いていた。

女みたいに。

「…俺、夏休み終わったらちゃんと帰って来るから泣くな!!」

沖永を赤ちゃんみたいに俺はあやした。

沖永はずっと無口のまま頷いていた。