君はさがした。
ねぇ、どうしたら僕を愛してくれる?
その方法を。


そうだ。
めいっぱい優しく接しよう。
君は振る舞った。
みんなの気持ちをいつも考え
自分のことは後回し。
「君は優しいね。」
得たものはそんな言葉と
負担、利用、そんなもんだった。
君の心は壊れてしまった。


君はさがした。
ねぇ、どうしたら僕を愛してくれる?
その方法を。


そうだ。
お金持ちになろう。
そうすればきっと
みんなの願いを叶えてあげられる。
君は精一杯頑張った。
頑張って得た富で
みんなを幸せにした。
みんなは君についてきた。
君は幸せになった。
はずだった…。
君は気づいてしまった。
みんなが君を見ていないこと。
財産を失くした君を
みんながすぐに見捨てること。
君の心は壊れてしまった。


君はさがすのをやめた。
ねぇ、どうしたら僕を愛してくれる?
その方法を。
君は疲れてしまった。
沢山の傷を負ったその心を
捨てた方が楽なんだと
そう思ってしまった。


そうだ。
孤独でいよう。
それが一番楽なんだ。
君は笑わなくなった。
優しさを与えることもなくなった。
代わりに傷を付ける側に
いつしかなってしまっていた。
君は気づいた。
独りになろうとする君に
向けられている優しさや
突き放す君に
ついてくる人の陰。


君はみつけた。
ねぇ、どうしたら僕を愛してくれる?
方法なんかないってことを。
数なんて必要ないんだ。
ありのままで生きていて
それでも傍に居てくれる。
本当の愛は無条件だと。
そのとても大切なことを
永い永いときを経て…。