今度は、彼女の方から、聞いてきた。

「ねえ、授業は?」

「え?」

「サボり?」

「ま、まあ・・・」

目を見ながら話してくる人は、

苦手だ。

僕は、立ち直って、少し目線をそらす。

「君は?」

「私は・・・  日向ぼっこ?」

同じじゃ、ないのか?

「君、何年生?」

「俺?3年生、だけど・・・」

「私も3年!けど、不思議。」

何が?

思ったことを、そのまま、

声に出してしまったようだ。

「だって、私、あなたを1度も見かけたことない。」

僕は少し、ムカッときて、言い返した。

「奇遇だな、俺もだよ。」

僕がそう答えると、彼女は、

キャッキャッと笑い、言った。

「当たり前じゃん!私、今日転校してきたばっか。」

腹を抱えて、彼女は、笑い続ける。