「お、ユイとメグだ。」

リョータがつぶやいた。

リョータがそう言う前から、

僕は、高い声に反応して

そっちの方を見ていたので、

大して気に留めず、ユイとメグに話しかける。

「おっす、今日はサボらなかったな。」

「昨日もサボりじゃないから。」

と、ユイが口を尖らせる。

「昨日、お前ら何してた?」

リョータが聞いた。

サボりじゃないんなら、何してたんだ?

と、僕も少し興味を持った。

「私はハワイに行ってました。」

先にメグが答えた。

「私はアフリカ。」

もちろん、冗談。

こんな風に冗談を言い合える、

こいつらとの、この関係が好きだった。

「なあ、そういえばさ・・・」

リョータが口を開いた。

「転校生、来るんだってよ。」

ああ、あいつか・・・

ってことは、あの後、

授業に出なかったのか。