教室の扉を開けると同時に、祐輔が飛びついて来た。

「杏珠〜っ!」

「おわっ!なんだよ朝から抱きついて来て…俺には残念ながら、そんな気ねぇーよ?」

なんて冗談を言ってみたが、強い視線に気づく。

ふと、前をみると…そこには鬼のような顔をした優奈が立っていた。

思わずビクリとしてしまう。

なんで俺までビクビクしなきゃいけないんだよ…と心の中で愚痴る。

「おい、祐輔!なんで優奈あんな怒ってんだよ!顔が鬼みたいだぞ?!」

と、祐輔の肩を持ちながらヒソヒソと話す。