隣に座っていた服部という白髪まじりの細めの男が軽くお辞儀をした。

それについで杏珠もお辞儀を返す。

「杏珠君、元気みたいだね。」

「まぁ、毎日楽しくやってますよ」

「杏珠、立ってないでこっちに来て座ったらどうだ?」

と言われたが、あまりこの輪の中に入りたくなかった。

「俺、課題あるから」

と、嘘をついた。

あの人達は好きじゃないと、杏珠の体が否定した。

それから2時間ほどしてから、あの2人は帰って行ったようだ。

その日、杏珠はまた青い光と水の夢を見たのだった。