「祐輔の奴…しょうがない。優衣、一緒に乗ろう」

「うん!」

柔らかく笑う優衣にドキっとしてしまった。
これから優衣と二人きりになるのかと思うと杏珠の鼓動は速度を早めた

先に優衣を乗せ、自分も乗り込んだ。
向かい合わせに座る。

「今日は疲れたな」

「うん。でもすごい楽しかったよ!」

「そうだな。いい思い出になったよ」

杏珠はあの時言い出せなかったことをどうやって切り出そうか考えていた。

「そういえば、さっきお化け屋敷の所で何か言い掛けてなかった?」

「あ、あぁ…あれ…」

思いがけないチャンスだ。
杏珠は今が言う時だと思った。
思いきって言ってしまおうと。