「ゴメンね、優奈がまだなの。」

奥の方からドタドタと激しく動き回る音が聞こえてきた。

「寝坊したのか?」

「うん。何回も起こしたんだけど…優奈、なかなか起きなくて」

と、クスクス笑った。

「ごめーん!お待たせ!」

出かける前から息切れしている優奈。

「寝坊したんだって?」

「あはは。ゴメンゴメン!」

顔の前で両手を合わせ謝る優奈。

「ま、いぃけど。じゃあ行くか。祐輔は駅で待ってると思うから。」