店を出ると、辺りはすっかり闇に包まれていた。
2人は家へと歩き出す。
星がチカチカと瞬いている。

公園を横切るが、さすがにもう子供たちの遊ぶ姿は見られない。
その代わりに黒猫が駆け抜けて行った。

何本もの街灯を抜けていくと、家にたどり着いた。

「優衣、今日はほんと、ありがとな!すっげぇ嬉しかった!」

「そんなに喜んでもらえるなんて、思ってなかったよ。私も嬉しい!」

優衣の笑顔を見た杏珠の顔はほんのりと赤くなった。
そんな杏珠に気づかず優衣は、またねと帰って行ってしまった。

嬉しいに決まってんじゃん…

見えなくなった背中に向けて小さな声で呟いた。