リビングへ繋がる扉を開くと、杏珠はテレビの前に立った。

「杏珠、テレビが見えないじゃないか」

親父は何も気づいていないらしい。

そんな父親の目の前の机に、杏珠は無言でクリアファイルを叩きつけた。

「これ…どうゆうことだよ」