☆キラ×02★スマイルの本性



コツ…コツ…コツ…コツ……誰も一言も発さず

私と先生の足音しか聞こえない、この時。

……気まずい。

やっと、私の部屋に着いて、足音は止んだ。

「…ど、どうぞ」

部屋を開けるなり、『キャー』という悲鳴が聞こえた。

点けっ放しだったテレビが時間が経って、

サスペンスドラマを流し始めていた。

素早くリモコンを手に取り、テレビの電源を消した。

_____シーーーン_____

……さらに気まずい。

「…で、舞ちゃんの苦手教科は何かな?」

私は無意識に指折りで数えていた。

「…えっと…数学…理科…社会…英語…です」

なんだか自分が恥ずかしくなった。

だって、5教科で唯一出来るの国語だけなんだもん。

「…じゃあ、5教科の点数は?」

テストの点数さえ覚えてない私は

父の書斎まで行って、テストが入ってるファイルを持ってきた。

「国語が……85。数学…58。理科…63。

社会…61。英語…65。」

テストのひっど~い点数を

私にゆっくり聞こえやすく言ってるように

先生は点数をメモってる。

…イヤミかよっ!

「でも国語はなかなかだね、頑張って」

そう言って、ファイルを私の手の上に置いて、

「また明日ね~」

と部屋から出て行った。

絶望感しかない私は紙切れしか入ってない

ファイルさえ重く感じられた。