コツコツと音をたてて廊下を歩く。
肩より少し長めの、少し巻いた黒髪をなびかせ、教室へと入る。

「おっはよー麗那!」
「おはよー!」

親友の実琴が真っ先に挨拶すると、気づいた男子が駆け寄ってくる。

「おはよー、麗那。」
「おはよー」
「おー、麗那!」
「相変わらず可愛いなー。俺と付き合えよー!」

やだなあ、可愛いなんて。
そんなこと知ってるっつーの!
アンタみたいなヤツとは付き合いませんー!!
そんなことを思いつつも、私は笑顔で挨拶を返す。

「うん、おはよっ♪」