「いいの…それは分かってたから…でも…キスは……」





ヤバいよ…また涙が溢れてくる。


あたしにはあのキスシーンがどうしても忘れられない。



祥介さんは遠慮がちにあたしを抱きしめてくれた。





「あれは…しても俺が何も感じなかったら諦めてくれる条件でやった…悪かった…」


「……ごめんなさい…それでも…やっぱり嫌だよ」


「そうだよな。俺が悪かった…どんな理由でも裏切った事に違わねぇよな」





あたしは祥介さんの背中にまわしている手に力をいれた。


ギュッとしてほしいよ。


もっとあたしを安心させてほしいよ。