久しぶりのトキオの温もりはあたしをあの頃へ引き返させるものかもしれない。


トキオ以外にはいい顔をしていた自分に。


いつも頑張ろうって思っていた自分に。


不思議とトキオの前では一度も頑張ろうなんて思った事はなかった。






「ほら、言ってみろ」


「うん……あたしっ……ふられちゃう…かもしれない……」






泣きながら途切れ途切れに言うあたしにトキオはずっと背中をさすってくれる。






「そうか」


「祥介さん他の女の人と…キスしてたの……」