いくら飲んでも眠気なんかやってこない。


それどころか頭からキスの事も離れてくれない。


ひとつ不安が見つかると、他にも不安が出てきてしまう。


この前の家にいるって嘘をついたのだって、あたしのためを思っての嘘なんかじゃなかったのかもしれない。


考えれば考えるほど闇に落ちていくようだ。






「起きてたのか?」


「あ、うん、お疲れ」





トキオが仕事から帰ってきた。





「飲んでんのか?どうした?」





あたしの今にも泣きそうな表情に気づいてくれたのか、横に座り聞いてくれた。