切断したパイプからはなんの
気体が漏れている様子もなかった。
はなから、この状況を作り上げる為に、即席で用意されたものでしかないうようだ。

「皆、この部屋から出ろ!

この部屋から出たら失格だとか、爆破だとか言っていたのは

手錠を外された俺だけの事だ。

お前らは除外されると思う」

パイプの切断面まで、自分達の手錠を移動させれば、そこから抜けられる仕組みが出来た。

足枷を失い、真っ先に扉の向こうへくぐったのは冬耶だった。

「大丈夫だ」

そして次々に隣の部屋に移動する者が続いた。

……冬耶、美鈴、詩織、響。