仁史もまさかそんなに簡単に割れるとは思ってなかった。

ぱかっと切断された灰色のパイプがそこにあった。

冬耶達を繋ぎとめているパイプ。

それは見た目は強固なパイプに見えて、実はプラスチック製の灰色の管。
斧で簡単に切断できる物だったのだ。

鉄製の頑丈な様相のパイプなら『ガス管』『水道管』と錯覚していたかもしれない。

それには排気管というイメージがあった。

惑わされていたが、彼等が繋ぎとめられていたパイプは

脆いプラスチックの管だった。