「いい加減に目を覚ましたらどお?冬耶」

詩織が冬耶の隣で諭すように言った。

「仁史が雅人を殺して、私達はここを出る。

これ以上の方法が何か残っている?」

冬耶は斧を胸に抱え込むようにしてその場に蹲った。

「冗談じゃない。仁史に人殺しなんかさせられるか!

……どうしてもっていうなら、俺が自分で……」

その時冬耶の顎に仁史の強烈な蹴りが入った。