「詩織っていつも何考えてるのかよくわからないって思ってたけど……

でもおかしい。詩織だけこんな状況なのに顔色一つ変えずに淡々としてて。

もしかしてアナウンスの声の奴とグルなんじゃないの?
自分は安全だとわかってるからそんなに呑気にいられるんじゃ」

「そういうなら……」

沙耶香の言葉を遮って詩織が部屋の隅に視線を投げた。