「残り7分」

詩織が時計を確かめると、同じく腕時計をしていなかった雅人が驚愕の声を発した。

「まじかよ!?」

「言ってたでしょう?
ここからは驚く程時間の流れが速くなりますって。

人間の体感速度ってね、開始の時間はゆっくりで、そこから緊張の時間に移行すると一気に速くなるらしいわよ。

テストの時なんかそうでしょ?」

「詩織、なんでそんなに落ち着いてられるの?」

沙耶香がふと不信気に詩織を見た。