「部屋から出たら失格って言ってたな。もしかしたら、そのドア、鍵がかかっていないんじゃないか？」

冬耶の言葉にはっとなり、仁史は入り口のドアに駆け寄った。

そっとドアノブを回す。

部屋から出てはならない為、ドアを押し開ける事はできないが、ドアノブはなんなく回った。

「開いてる……」


「つまり、手錠で繋がれてさえいなければこの部屋から脱出できるわけだ」

「私達を見捨てて、一人で脱出なんて、しないわよね？」

詩織が釘を刺すように、すかさず口を挟んだ。