そんなこんなで酒は進み、程良くアルコールの回った頭でオレは留年したことに言及する。


「そーいやオレ留年しちゃいました。てへ」
「おめでとう。これで君も社会の屑の仲間入りだね!」


夏目は酔うと口が悪くなる。


「てへじゃねえだろアホ。まあ大学卒業したら否応なしに社会にでるしかねえんだ。1年遊べる期間が増えてよかったな」


翔平さんは優しい。全裸だが。


「おぉ。おまえ留年したんか」


丼酒先輩改め中井宏先輩だ。

顔は怖いし言動も怖いしガタイはいいし無茶なことを平気でやるおっかない先輩だ。あとどうみてもおっさんだ。

宏先輩より下の代の人間はみんな宏先輩を恐れている。

宏先輩ももちろん全裸だ。


「ベースも下手糞やのに学業もボロカスか。とりあえず飲めよ」


あと人に酒を飲ますのが大好きだ。


オレの留年を肴に宴会は続き、夜がアルコールで頭がパーになっている全裸のオレの頭上を通り過ぎていき、朝と昼が二日酔いでうなされながら眠っているオレの頭上を通り過ぎた夕方頃。

オレはサークル棟で夕日を見つつ思った。

そりゃ留年するわと。


後ろで宏先輩が寝返りをうった。