気がつくと翔くんが立っていた。
「…翔くん?」
すると翔くんは笑顔で言った。
「春、幸せになって…」
「何言ってるの?
私の幸せは翔くんと…」
翔くんは悲しい顔で言った。
「春は幸せになって…」
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嘘でしょ?待ってよ…
私、翔くんがいなきゃ
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ふと気がつくともう
翔くんの姿はそこにはなかった。
「翔くん…って……待ってよ…」
ぱっと目を開けると
あの人の顔が飛び込んできた。
「春…大丈夫か…?」
「何で…?
翔くんどうしてここに…」
「わかんねぇけど
体が勝手に動いてた。」
驚いた…
夢で消えていった翔くんが
今私の目の前で笑っている。
私はホッとして涙が溢れた。
「春…泣いてんのか?」
心配してくれる翔くんの優しさに
私の目からは大粒の涙が溢れた。
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堪えなきゃ……
翔くんにこれ以上
心配かけちゃダメなのに…
どうしよう…涙が止まらない…
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