洋平は何も言わず座り込んだ。


私もその隣に座った。









少しの沈黙が終わると
洋平が口を開いた。





「春、さっきはゴメン。
無責任なことばっか言って…」



少し落ち込んだ表情の洋平。



「ううん。ありがとう洋平。」



洋平は驚いていた。



「春、今…洋平って…」



私が微笑みかけると
洋平は私の手を握った。



「春、俺さ春のこと…」


「…ごめん。

私ね洋平は優しいし
助けてくれたし
本当いい人だと思う。


でも、やっぱり…
私には翔くんしか考えられない」


「何で…?
何であいつなの?

あいつといたら春は……」


「幸せになれるの。


どんなに辛いときも
どんなに悲しいときも
いつも隣で支えてくれた。

私ね、男の人が苦手だったの…」





私は過去のことを
洋平に全て話した。




「男が苦手って
そういう意味だったのか…」


「…うん。

でもそんな私の心を
開いてくれたのは
他の誰でもない翔くんなの。



翔くんは私に
俺だけは信じろって
優しく言ってくれたの。

私が不安になると関係ない
私を本気で心配してくれた。


私ね、信じてみようって
翔くんなら思えたの。

この人なら私の手を
掴んでくれるって思った。

今の私が素直なのは
全部翔くんのおかげなの。


だから私の幸せは
翔くんの傍にいれることなの…」






一粒の涙が
私の頬を伝っていた。






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