「お前、誰だよ。」



和也さんが睨みつけて言うと
あの人は私の肩に手を回した。




「俺は春の友達かな♪」


「ちょっとやめてよ!」




私が手を振り払うと
その人は奇妙な笑顔を浮かべた。




「春はガードが固いなぁ。
まぁでもそういうとこが
春の可愛いところだからね♪」


「変なこと言わないで!」






すると和也さんが私に言った。



「春ちゃん、こいつ誰?」


「この人は神崎洋平さん。

妹さんがここに入院してて
この前いろいろあってね…。」


「いろいろって何?
ずいぶん馴れ馴れしいけど。」



「俺はこの病院で
春と知り合ったんだ。

春が可愛いから
一目惚れしちゃってね♪」


「春ちゃんに手だすな!

春ちゃんにはちゃんと
守ってくれるやつがいるんだ。」


「でも春のこと
覚えてないんだろ?

なら守るなんて無理だろ♪」




洋平の言葉が私の胸に刺さった。













無理?


無理じゃないよ。

翔くんは覚えてなくても
ちゃんと守ってくれた。




洋平に絡まれたとき
私のことを守ってくれたの。






なのに……





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