その後も私たちは
あの店で集まった。




お酒を飲みながら
みんなで騒ぐことが
日課となっていた。










珍しく翔くんと美玲が
酔っていた日だった。



和也さんとまともに話すのは
あの日以来だった。






「和也さん、今日は
あんまり飲んでないんだね♪」



「あぁ…。

今日は春ちゃんに
話したいことがあったから。」



「えっ?」



「この前のこと
謝りたかったから。
その…ゴメンね。

俺あの時、翔に殴られて
やっと目が覚めたよっ。」


「そんな…。
もう終わったことだから。」



「春ちゃんは優しいな。

俺、翔に殴られた時
こいつには敵わないって
本気で思わされたよ。

翔のあんな真剣な顔
見たことなくて
本気で殴られたのも
あれが初めてだった。

こいつ好きなんだって
拳から伝わってきて
本当にびっくりした。」



「そうだったんだ。」



「俺、はじめは
何で翔なんだよって
本気で思ってた。

咲ちゃんがいるのに
何で翔なんだよって。

でも今は
翔だからって思える。

俺なんかより
翔を選ぶ理由が
何となくわかった気がしたよ。」



「和也さんは
素敵だと思います。

でも私は翔くんを
知らないうちに
好きになっていました。

この人なら信じられる。
信じてみようって
素直に思えたんです。

私にはこの人しかいないって。

だから和也さんも
きっと他にいい人が
見つかると思います。
私は和也さんを応援してます♪」



「ありがとう。
じゃぁ俺らも飲もっか♪」


「はい♪」






* * * * * * * * * * * * * * *