「……ああー、
……………うん。
………言わなくて…ゴメンね。
わたしさぁ…ッ
わたしには何も言えない。言えば迷惑かかるでしょ…
グスッ…」
また涙が出てきた。
「…恵子。
佐藤幹斗はやめな。
あの噂。
昨日…佐藤幹斗、本人がサッカー部で話してたって。
あんたがどんなに黙ってたって、あっちはあること、ないこと話してる!!
人の友達つかまえて…
ストーカーってなんなの?!
ほんっとに腹立つんだけど…
大事な…大事な友達なのに…
こんなに…こんなに目腫らして、
こんなに…こんなに辛そうなのに。
何もしてあげられないなんて…
もう嫌だよ」
そう言った貴子の目には今にもこぼれそうなくらい、涙がたまってた。