『かのん?かのんいるの?』




鈴夏の声がきこえたと思い、振り向くと、突然抱きつかれた。





『良かった…。本当に何もなくて、無事で良かった……。私はこれ以上、もう、誰も失いたくないから…。』





『鈴夏…?もう……って…?』





『あ…な…何でもない。でも本当に良かった…。皆、心配してたから。』





『鈴夏…?』




どうしても、鈴夏の「もう、誰も失いたくない…」という言葉が気になって仕方なかった。