―― 3月末。――― 裕子の家に、俺ら家族は呼ばれていた。 『正直のところ、経営はあまりよくありません。』 親父と裕子のお父さんは、仕事についての話をしていた。 『龍騎くんが裕子との婚約ということになれば、正式にそちらの会社との合併の話を進めたいと思っています。』 『それは…婚約や結婚ということに関しましては、龍騎や裕子さんたち本人が決めることですので。それに、仕事と恋愛を一緒にしては…。』