そして、こっちを見ると、


『大事な人なんだろう?本当は今日、どっかに行くはずだったんじゃないのかい?』





『はい…。その人を待たせて家に忘れ物を取りに行ってる間に、ひかれて病院に運ばれてて……俺、どっか行くからと思ってたから、プレゼント用意してなくて…。』





『今から誕生日ケーキ作ってあげるから、プレゼントしてあげなさい。』


パティシエはそう言うと、中へと戻って行った。







俺は近くにあった椅子に腰かけ、ケーキが出来るのを待っていた。