「わかった、俺が間違えてた。

誕生日っていう、特別な日にカエデがいないから焦っただけ。

俺、どうかしてたわ」


「どうかしすぎ」


ごめん、ごめん。そう言って、私の頭をポンポンとしてからさっき手をギュッと握っていたように、今度は私をギュッとした。


バカ。抱きしめられながらそう言うと、クスクス笑っていた。



それがいつかの私の誕生日の出来事。