「あ。禁煙してるんだっけ?」

「うん。ま、気にしないで吸って」

「もち」


隣でふぅーと紫煙をだす、マコ。

メンソの煙草の香りをかぐのは久しぶり。

卒業してからマコたちとは年に一回会うか会わないか。

大学生のときは毎日会っていたのに。

なんだか懐かしくて、しんみりしていたらあっという間に時間になった。


「シュウくんによろしく」

「うん。今日はありがと。またね」

「気をつけて」


次にマコたちと会うのはいつだろ?

考えながら、マコの家を振り返るとベランダにはまだ彼女がいて煙草を吸っているのが見えた。


その光景を見たら次に会うのが何十年後になっても、会わなかった間のブランクを感じることはないだろうと思えた。