「優奈……??」



優奈だ。
目の前に立っている優奈は
本物の優奈だ。



「何で優奈の事無視するの??」



「ごめん、優奈。幻覚かと…。
てか優奈学校は??」


「今日はお休みしたの。」


「お休み??……なんで??」


「健一くんが優奈の事ムシするから」

「へ??」

ぐすっ

泣きながら俺のスーツの裾を
ちょっとだけ引っ張る優奈。
こんなの可愛すぎて
他の男には見せられない
………じゃなくて。

「優奈……??」


ぐすっ
「健一くん、優奈の事
嫌いになっちゃった??」



「え…。」



「だって健一くん、優奈の電話も
でてくれないし…。
電話だけは必ずかけ直して
くれたのに。」