「逃げないでよおっ」


うわああんと会社の前で
泣き続ける優奈と
その目の前にたっている俺。


明らかに俺が悪い。

分かってる。

けどさすがに事情も何も知らない
社員に冷たい目で見られるのは
いくら優奈が好きでも

キツい。


今日はちゃんと優奈と
向き合おう。


「優奈、ちょっとここで
待ってられる??」


ちょうど通りかかった同期の横川に

今日は腹痛で会社を休むと伝える。


これで優奈とゆっくり過ごせる。


「よし、優奈。
………お腹すいてない??」


―――ぐうぅ


―――――――。



「ご注文はお決まりですか?」

店員さんはスーツと制服の男女の
ペアに違和感を感じてるらしい。

さっきから俺をチラチラ
見てくるのが分かる。


「コーヒーとリンゴジュース
サンドイッチ2つ、それと
ストロベリーパフェ」