「はぁ…」
 何で私、初恋にときめく中学生みたいになってるんだろ。おかしいよね?
「どうしたの?ため息なんかついちゃって」
「あっ、ゆり先輩っ!」
 いきなりゆり先輩に背中を押され、私は転びかけた。
 ゆり先輩は私にこの仕事を紹介してくれた、大学時代の先輩。本名は田中百合子。よく私の相談に乗ってくれる、大切な人。