「ちょっ!今井さん!仕事中ですよ?!」
 私は驚いて持っていたトレイを落としそうになった。そんな…でも、ちょっと楽しみかも。
「萌がそそるのが悪い」
 今井さんは、にやっと笑って私から離れた。
「で、どっち?」
「いいですよ…?」
 私がうなづくと今井さんは私の頭をくしゃっとなでて、また接客に行ってしまった。
 嬉しいけど、素直に喜ぶべき感情なのかなあ?自分で自分が分からない。ねえ、今井さんはどうなの?
 …ずるいよ。