バックに入れたお弁当箱二つ。


こんなに学校に行くのが楽しかった事はない。


自転車が軽い。


自転車に羽がはえてるようだ。


昨日の熱は朝には下がり、僕はお弁当を作る事が出来た。


自然と出る鼻歌に、愛が嫌そうな顔してたけど。


バスケ部の朝練は休んだ。

朝練なんかしてまた熱がでて、麗とお弁当が食べられなかったら大変だ。


僕の優先順位は、麗が一番になっていた。


どんどん学校が近くなるにつれ、麗に会えるうれしさが突き上げる。


麗、麗、麗。


人を好きになるとこんなにも世界が色づくんだな。


今までの僕は、モノクロの世界に生きていたみたいだ。


早く君に会いたいよ。


朝は会えないのかな?


もし朝から会えたら、ラッキーな一日になりそうだ。





「朝からゴリみちゃったよ。
あぁ爽やかな朝がー。」


「はは、アンラッキー。」




周りから聞こえる声。



なっ泣くもんか。


いいんだ、僕には麗がいるんだ。


自転車をこぐ足に力をこめる。