「ちょっと待ってて。」


ゴージャスはポケットティッシュをだしてくれた。


「ありがとう。」


僕は鼻を押さえる。


うん、これは最高にかっこわるいね。


女の人抱きしめて鼻血。


もう自分で言えるよ。


キモいって。


でも、ゴージャスは心配そうに僕を見てる。


「横になった方がいいのかな。」


あんなに離れないと言っていたゴージャスが、離れていく。


横に座り、スカートのホコリを落とすみたいに、パン、パン、とはたく。


何してるの?


「はい、どうぞ。」


もしかしてそのたいせいは、ひざ枕ですか。


いや、まさか、まさか。


まさかですよね。


「どうしたの?」


まさかが現実になった。


鼻血って横になって良かったんだっけ。


もうこんな奇跡みたいな日一生ない。


鼻血に悪くても、僕はひざ枕をとる。


「失礼します。」


僕は顔を横に向けた。


おお、ほほに太ももを感じる。



神様ありがとう。