突然、両手で顔を挟まれた。


「ねぇ、聞いてるの?」


上目遣いで聞いてくる。


これはやばい。


顔をそむけたくても、両手で挟まれてるから、動けない。


その手を払うこともできない。


黒い瞳に僕が写る。


もうだめだ。


心臓がものすごい早い。


このままでは、死んでしまう。


その時、鼻の奥でツーンとした感じがした。


と、同時に鼻に違和感。


まっまさか。


目の前には驚いた顔。


腰を抱いていた右手を離し、鼻の下を触る。


指先に触れる液体。


見れば赤い液体。



鼻血だ。




神様なんでー。