「でね、それって私のせいなんだって。」


「えっなんで?」


「私が、伴奏してるから、先生はりきってやったんだって。
だから、佐々木先輩にわたせなくなったんだって。」


思い出して、また、涙が出そうになる。


泣きそうな私に気づいたのか『ゴリ吉』が私をギュッとさらに抱きしめる。


包まれる安心感。


気持ちいい。


「部活終わりは先生が決めることだから、蝶野さんに言うのは違うね。」


『蝶野さん』?


さっきは『ゴージャス』だったのに。


「ゴージャスは?
さっきはゴージャスっていってた。」