「とっとっ。
とりあえず座ろうか。」


「このままなら座る。」


離れるなんて絶対いや。


「えっこのまま?
うっうん、じゃゆっくり座るよ。」


『ゴリ吉』の座る動作に合わせて座ろうとしたが、そうすると少し離れてしまう。


「いや、いや。」


ただっこのように、『ゴリ吉』の胸で頭をふる。


「離れたくないの?」


「うん。」


『ゴリ吉』に大きくうなずく。


「うーん。
蝶野さん僕の膝の上にのる?」


そうか、膝に乗ればいいのか。


私は『ゴリ吉』の膝に横に座り、首に抱き着き肩に頭を乗せる。


「これでいい?」


「やだ、もっと抱きしめて。」


私の腰をただ支えていた、『ゴリ吉』の手に力が入り、しっかり抱きしめられる。


「うん、これならいい。」


うん、すごくいい。