上を見上げれば、真っ赤な顔をした『ゴリ吉』。



「ふっふ、くっはっは…。」

もうおかしくておかしくてたまらない。



「はっわははは…。」


『ゴリ吉』も笑い出す。


二人の笑い声が非常階段に響く。


「わはは…、腹いて。」


『ゴリ吉』は、私を抱いていた手を離し、お腹に手をあててさらに笑う。


今まで包まれていたのに。

抱きしめられるって、すごく気持ちがいい事なんだ。

それと同時に、両親にも抱きしめられた事がないことに気づいてしまった。


すごく淋しい。