ゴージャスと僕が心の中で読んでいる、蝶野 麗さん。


サラサラと音がしそうな美しい黒髪。


モデルみたいな完璧な体。

誰もが振り返る綺麗な顔。

僕から見たら、なんかキラキラ輝いて、ゴージャスって感じなんだ。


でも今は、泣いたせいか、鼻が真っ赤で目も真っ赤。


めちゃくちゃかわいい。


美人って、泣くとかわいくなるんだ。


はっ、そうだ泣いてたんだ。


見とれてる場合じゃないぞ。


何か言わなくては。


「あっあ、あの…」


出てくるのはかすれた声だけ。


うわ、なんだよ、この声。

すると、立っていたゴージャスが、すとんと階段に座った。


えっなんで。


あれ、もしかして立てないぐらい具合悪くて泣いていたとか。


うーん。


もしかしたら、もしかするから、とりあえず、聞こう。


僕は

『キモい』

『気持ち悪い』

と言われるのを覚悟して話し掛けた。