「もうわかったから。
お前の事は、もう何もしないよ。
毛深いのは、父親似だから仕方がないって、愛分かってるだろ。
それに肌が弱くて、市販の脱毛クリームは使えないし、カミソリ使えば、カミソリ負けで真っ赤になるってしってるじゃないか。
エステで脱毛したいけど、そんな金、一生懸命働いてくれてる母さんにくれとは言えないし、毎日部活があってバイトも出来ない。
僕にどうしろって言うんだよ。
あと、僕はお前の事、妹以外の目で見たことないからな。」



心がノックアウト寸前ながら、言いたいことはなんとか言うことが出来た。



そんな俺に愛は

「だって、見た目が生理的にだめなんだもん。」

と、強烈な言葉を残して、洗面台へ向かった。



『生理的にだめ』

よく言われる、僕にはもうどうしようも出来ない言葉。


僕がどうしようとも無理って事。


努力してどうにかなる話じゃない。


僕はバックにお弁当箱を二個入れ、アパートを飛び出した。