ゴツくて毛深いかったのは、父親だったから、母親似の愛は、毛深くないどころか、結構かわいい。


中学校でもモテてるようだ。


「気持ち悪いとかキモいって、お前自分の兄に対して。」



さすがの僕でも、頭にくる。


朝ごはん作って、お弁当作って、洗濯して、なんで

『気持ち悪い』

『キモい』

なんて言われなきゃならないんだ。


「兄だからでしょう。
同じ家だから、嫌でも毎日顔会わさなきゃいけないし。
なんで、誘われた高校行かなかったの?
寮でも入って、たまに帰ってくるなら良かったのに。本当に、ありえないわ。
なんでそんなに毛深いのよ。
気持ち悪くてしょうがない。
まさか、あまりにモテなくて相手されないからって、妹の私を変な目でみてるとか?
やめてよね。
兄だからとか言う前に、生理的に無理だから。」



あまりにひどい、愛からの、言葉でのパンチの連打に、僕はもうノックアウト寸前だ。