「はぁ、はぁ、はぁ…。」


走って着いたのは、僕のお気に入りの場所。


教室がある建物と廊下でつながっている、視聴覚室や音楽室など専門教室がある別館の非常階段の最上階。

横にある大きな木が目隠しになってくれるし、日影も作ってくれるて、誰も来ない僕のオアシス。


バックから水筒をだし、一口飲んで、喉を潤す。


さらにバックからお弁当を二個だす。


これがあったから、部室では食べなかった。


一つは、大きな僕のいつものお弁当箱。


もう一つは、小さなかわいいお弁当箱。


見てると、さっき我慢した涙が出てきそうになる。


この小さなかわいいお弁当箱は、妹に行くはずだったのに。


今日の朝の出来事が頭に浮かぶ。