結局、松崎くんにメールの返信ができないまま、私はその日、眠りについてしまった。


土日が休みなので、私は無意識に目覚まし時計をかけることもなく、土曜日はお昼近くまで睡眠時間をとった。


ついこの間までは不眠症になってしまったかのように眠れなくて、眠れたと思えばすぐに目が覚めてしまっていた。


でも最近はそういうことも少しずつ減ってきて、眠れるようになってきたような気がした。


とうの昔に明るくなって、動き出している外を眺めながら、私は昨日の多恵とのやり取りや、松崎くんからのメールのことをぼんやり考えていた。


自分が幸せになることを考える、か。


充電していた携帯を手に取り、松崎くんのメールを読み直す。


『今度いつ会えますか?』


一晩返信せずにいたけれど、どうやら私のなかで彼のことを思い出す時間がだんだん多くなってきたので、それはおそらく彼に興味があるのだと思う。


『いつにしますか?』


と、彼に返信を送った。